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商工会議所でお金を借りるならマル経融資!必要書類や審査基準を解説

商工会議所でお金を借りる「マル経融資」の必要書類や審査について

事業用の資金を借りたい事業者は「マル経融資」と呼ばれる制度を利用して、お金を借りられます。

マル経融資は、小規模事業者向けに商工会議所が取り扱っている融資制度のこと。無担保・無保証人・低金利と、他で借りるよりも有利な条件で融資を受けられます。

事業資金の調達に商工会議所で借りることを検討している方へ、マル経融資の制度内容と申請に必要な書類、審査基準等を解説していきます。

目次

商工会議所とは?お金を借りる上で知っておきたい基礎知識

商工会議所とは「地域を元気にしたい」という思いのもと、商工業者の発展のために作られた経済団体。2021年2月現在で、全国に514の会議所があります。
参考:日本商工会議所│商工会議所とは

商工会議所の主な事業内容は以下のとおり。中小企業の活性化や育成をメインとして、企業を応援する取り組みを実施しています。

商工会議所の主な事業内容
  • 経営相談に乗る(資金の相談・帳簿の付け方・経営方法の診断など)
  • 共済保険の提供
  • 情報の提供(経済界の動き・講演会の案内など)
  • 検定の実施(簿記・珠算・販売士など)
  • 所後悔としての意見を国会などに伝える
  • 企業同士の交流を図る
  • 企業の国際化を支援する(原産地の証明など)
  • 福祉の増進に取り組む
  • 商工業に関する施設の設置・維持・運用

地域や企業の役に立つために様々な活動を展開しているのが、商工会議所です。利益を得るのではなく企業や地域の力になるために存在している団体で、事業内容の一貫として融資も取り扱っています。

商工会と商工会議所の違いは?

中小企業の活動を応援する団体には、商工会もあります。商工会議所と名前が似ていますが、別の団体です。

名称 商工会 商工会議所
会員 中小企業・個人事業主が主
小規模な事業者が9割以上
中小企業が主、大企業も加入
小規模な事業者は約8割
対象地区 町村の区域 市の区域
特徴 事業者の経営や技術の改善・発達を図る事業が中心
特に小規模事業者に対しての対策を重視
中小企業の支援から国際的な活動まで実施
地域の総合経済団体としての役割を持つ
関係する省庁 経済産業省の中小企業庁 経済産業省の経済産業政策局
関係する法律 商工会法 商工会議所法

参考:全国商工会連合会│商工会と会議所の比較

どちらも営利を目的としておらず、地域や中小企業の発展のためのサービスを提供している点では共通しています。

異なるのは設置されている地区や会員・従っている法律などです。

商工会は町村に設立されていて、小規模な事業者に対して経営全般のサポートをしています。

一方、商工会議所は市単位で設置されていて、中小規模の企業をメインとして一部大企業にもサービスの提供を行っているのが特徴です。

商工会議所でお金を借りる「マル経融資」とは?制度内容やメリットなどを解説

マル経融資とは商工会議所が窓口となっている融資制度で、正式名称は「小規模事業者経営改善資金融資制度」です。

商工会議所に申請を行いますが、実際に融資を行うのは「日本政策金融公庫」。商工会議所が日本政策金融公庫に推薦を行い、日本政策金融公庫から融資が受けられる仕組みになっています。

日本政策金融公庫とは?

100%政府出資の政府系金融機関のこと。いわば国の金融機関であり、国の経済の成長や発展などを目的に金融サービスを提供している機関。金融機関でありつつも、取り扱いは融資業務のみで、低金利で借りられる特徴があります。

実際にマル経融資の概要を見てみましょう。

融資限度額 2,000万円
資金の使い道 運転資金・設備資金
利率 年1.21%
※2021年2月1日現在
返済期間 運転資金:7年以内(据置期間1年以内)
設備資金:10年以内(据置期間2年以内)
担保・保証人 不要
※商工会議所会頭などの推薦が必要

据置期間とは元金の返済を待ってもらえる期間で、利息のみの支払いが可能な期間のこと。事業を続けていくための運転資金の場合は1年、設備の購入に必要な設備資金は2年の据置期間があります。

マル経融資は低金利でお金を借りられるのが魅力

マル経融資の最大の魅力は低金利で融資が受けられる点。利率は金融情勢などに合わせて変動しますが、現在のマル経融資の利率は年1.21%です。
※2021年2月19日現在

お金を借りるとなると、銀行を頼ろうと考える事業者も多いと思いますが、高い商品では年14.00%程度の金利がかかります。マル経融資を利用すれば10分の1の金利で借入できる計算なので、中小企業であれば積極的にマル経融資を利用しましょう。

マル経融資は保証人や担保不要でも借入できる

マル経融資は保証人も担保もなしで借入できるメリットがあります。

事業融資で無担保・無保証人で借入できる機関は少なく、他の金融機関や公的融資で事業資金を借りる際は、担保や保証人が必要になるケースがほとんどです。

事業融資の事例
借入方法 担保や保証人について 融資額
一般貸付(日本政策金融公庫) 利用者の希望も聞きながら担保・保証人について決定 4,800万円(特定設備資金7,200万円)
新規開業資金(日本政策金融公庫) 利用者の希望も聞きながら担保・保証人について決定 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
ジャパンネット銀行 ビジネスローン(個人事業主向け) 担保・保証人不要 最大500万円
東京スター銀行 不動産担保ビジネスローン 担保:不動産
保証人:原則不要(自社・自身名義以外の不動産を担保とするなら必要な場合も)
500万円~3億円
東京スター銀行 スタービジネスカードローン 担保・保証人不要 50万円~500万円

銀行などには無担保・無保証人で利用できるビジネスローンもありますが、最大の融資額はそれほど高くありません。

マル経融資では最大で2,000万円まで借りられる可能性があるにも関わらず、無担保・無保証人で利用可能です。

マル経融資を無担保・無保証人で受けられる理由として、商工会議所会頭や商工会会長の推薦が必要な点が挙げられます。

推薦を受けるために経営指導が行われ、信頼性を担保に融資を行う仕組みとなっています。

マル経融資でお金を借りられるのは?融資対象者と条件をチェック

マル経融資の対象者は、以下の通り。該当しない場合、融資を受けられないため、当てはまるかチェックしておきましょう。

マル経融資でお金を借りられる人

  • 法人または個人事業主である(商工会議所の会員以外も利用可能)
  • 従業員が20人以下の事業所である
  • 宿泊業を除く商業・サービス業の場合は5人以下の事業者である
  • 6か月以上商工会議所の経営指導を受けている
  • 同一会議所などの地区内で最近1年以上事業を営んでいる
  • 所得税・法人税・事業税もしくは都道府県民税や市町村民税を完納している
  • 日本政策金融公庫で融資の対象とされていない業種ではない

マル経融資は小規模事業者向けの融資ともあって、対象となるのは従業員が20人以下の事業所のみ。
小規模事業者には、法人も個人事業主も含まれ、商工会議所の会員でなくても利用可能です。

商工業者が対象ですが、融資自体は日本政策金融公庫が行うため、日本政策金融公庫で融資の対象とされていない業種は利用できません。

融資の対象とされていない業種の例

  • 銀行業や貸金業
  • パチンコや競馬
  • 取立業
  • 政治団体・経済団体
  • 郵便局や郵便業

参考:融資対象|日本政策金融公庫

マル経融資の申し込みの流れは?申し込み条件や必要書類も解説

マル経融資は以下の流れで申し込めます。

マル経融資の流れ

  1. 商工会議所に相談して経営指導を受ける
  2. 必要書類を提出する
  3. 商工会議所の審査後、推薦を受ける

申し込みの流れや必要書類などについて、詳細を確認しましょう。

まずは商工会や商工会議所の経営指導を受ける

マル経融資を利用するには、6ヶ月以上前から商工会議所の経営指導を受ける必要があります。

マル経融資は経営改善に必要な資金を無担保・無保証人で利用するための制度なため、融資を受けるには経営改善に向けた取り組みをしていると認めてもらう必要があります。

経営指導を受けて初めて推薦を受けられるため、6ヶ月の経営指導を受けなければ融資制度を利用できません。

経営指導と聞くと身構えてしまう方も多いかもしれませんが、以下のように簡単な相談から始めることも可能です。

経営指導の例
金融相談 マル経融資など事業に必要な資金に関する融資制度を紹介
記帳指導 帳簿の付け方の指導
税理士による決算申告の指導など
経営診断 商工会議所の専門指導員が経営方法を指導
経営安定特別相談室 倒産を防ぐための相談や指導
中小企業倒産防止共済 倒産を防ぐための共済の案内

融資のために経営指導を受けるのはもちろん、経営方法の見直しや倒産の防止などにも役立ちます。

場合によっては経営相談だけで立て直しできる可能性もあり、融資金額を下げることにも繋がるため、受けて損はありません。

経営指導では事業に合わせた相談も可能

経営指導では事業に合わせて様々な相談ができます。一例を見てみましょう。

  • 在庫管理
  • 経営戦略
  • 情報システム
  • 店舗デザイン
  • 役所での手続き
  • 年末調整のやり方
  • 確定申告について

特別な準備が必要なわけではなく相談ができる場として活用できるので、積極的に利用しましょう。

マル経融資に必要な書類を提出する

経営指導が終わったら必要書類を提出して、審査を受けます。

個人事業主の場合、必要書類は以下の4つ。

  • 前年と前々年の決算書(もしくは収支内訳書)
  • 前年と前々年の確定申告書
  • 所得税・事業税・住民税の領収書もしくは納税証明書
  • 見積書やカタログなど(設備資金を申し込む場合)

法人の場合は必要書類が6つになります。

  • 前年と前々年の決算書
  • 前年と前々年の確定申告書
  • 最近の残高試算表(決算後6か月以上経過している場合)
  • 法人税・事業税・法人住民税の領収書もしくは納税証明書
  • 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 見積書やカタログなど(※設備資金を申し込む場合)

相談先の商工会議所によって必要書類が異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。

書類の入手方法と注意点

書類の入手方法や注意点は、以下の通りです。

書類 入手方法や注意点
決算書 税務署に提出したものの控え
原本ではなく控えを提出する
確定申告書 税務署に提出したものの控え
原本ではなく控えを提出する
納税証明書 市役所・地方事務所・税務署が発行
見積書やカタログなど 導入しようとしている設備の見積書やカタログを提出
残高試算表 企業で利用しているものを提出
決まった書式はない
商業登記簿謄本 法務局が発行

設備資金を申し込む場合は見積書やカタログなど金額が具体的にわかるものが必要なので、手元に残しておきましょう。

商工会議所でマル経融資の審査を受ける

必要書類を提出すると商工会議所での審査会が実施され、審査に通れば推薦をしてもらえます。審査見られるポイントは以下の3点。

審査で見られるポイント

  • 経営状況
  • 返済能力
  • 利用条件に合っているか

商工会議所から経営指導が受けられるので、指導内容に従って状況を改善しましょう。

税金に滞納がある場合は納める・事業を営んでいる年数が足りない場合は足りるまで待つなど、利用条件に合うような対応も必要です。

日本政策金融公庫でも審査が行われ、審査に通れば融資が実行されます。

日本政策金融公庫でも、利用条件に合っているか・きちんと返済ができそうかが確認されるので、商工会議所の経営指導を受けている段階で改善しておくのが審査に通るコツです。

融資が実行され指定の口座に入金される

融資の実行方法は、口座への入金です。融資が決まると、指定の口座に入金されます。

口座に関しては法人名義の口座でなければいけないという指定はないので、個人名義の口座でも問題ありません。

法人口座を開設していない個人事業主の方は、個人名義の口座で対応可能です。

マル経融資の返済及び利子補助振込希望の金融機関の口座情報が記載されているもの
(金融機関名、支店名、口座番号、口座名義人を確認いたします)
普通預金口座の方:通帳表紙と2ページ目見開きのコピー
当座預金口座の方:当座勘定照合表、当座勘定取引明細表のコピー(引用元:八王子商工会議所│ご用意いただくもの

マル経融資の審査に通って融資を受けるためのコツは?

マル経融資は経営指導や推薦を挟まなければいかないなど、厳しめに審査内容をチェックされます。

確実にマル経融資を受けるために、審査に通るコツをおさえておきましょう。

黒字の経営状況であることが望ましい

マル経融資を受ける際は、絶対に黒字でなければ審査に通らないわけではありませんが、黒字の経営状況だと審査に通りやすくなります。

マル経融資の資金使途は、運転資金または設備資金に限られており、経営状況が赤字の場合、借りたお金を赤字の穴埋めに使う可能性もあると判断されて、不利になる可能性があるためです。

またマル経融資は経営改善のために利用する資金なので、赤字の場合は経営改善が難しい・借りても返せる充てがないなどの理由で、審査に通らないケースもあります。

達成が見込める事業計画書があると審査で有利になることもある

達成が見込める事業計画書があると、審査では有利です。事業計画書は自分の事業の内容や将来性などを伝えるもの。

事業計画書は融資を受けるうえで重要な書類で、以下のような内容を記載します。

  • 事業の目的
  • 事業の内容
  • 取り扱う商品やサービスの内容
  • 収支計画
  • 事業の見通し
  • 売り上げや利益の予想
  • 資金繰り

融資をする側に安定した売上げを出し、返済がきちんと続けられると思ってもらえるように、達成が見込める事業計画書を作成しましょう。

マル経融資以外で商工会議所でお金を借りる方法は?

マル経融資以外にも、商工会議所によっては別の制度でお金を借りられます。
商工会議所が案内している融資の種類は、以下の通り。

融資制度 特徴
日本政策金融公庫の融資 一般貸付(事業を営む方向けのローン)など
県や市独自の融資制度 商工会議所がある県や市の融資制度
会員限定のローン 会員向けのビジネスローンなど

県や市によっては独自の制度を設けているところもあるので、自身が属する商工会議所の要項を確認してみましょう。

地域の独自制度の例

  • 大分県中小企業向け金融制度(県の融資制度)
  • 別府市制度融資(別府市の融資制度)
  • 高岡市の融資制度(高岡市の融資制度)
  • 富山県の融資制度(県の融資制度)

参考:別府商工会議所│融資の種類
参考:高岡商工会議所│融資制度

商工会議所ではコロナ向けの融資も行っている

新型コロナウイルスの影響でお金を借りたいと考えている方は、商工会議所のコロナ向け融資を利用しましょう。

利用できる方 新型コロナウイルス感染症の影響で直近1ヶ月間の売上高
もしくは最近1ヶ月を含んだ過去6ヶ月の平均売上高が前3年のいずれかの年の同じ時期と比べて5%以上減少した方
※商工会議所の経営指導を受け、商工会議所会頭の推薦をもらう必要あり
融資限度額 融資限度額(2,000万円)+別枠1,000万円
利率 当初3年間:年0.31%
4年目以降:年1.21%
※2021年2月1日現在
返済期間 設備資金:10年以内
運転資金:7年以内
据置期間 設備資金:4年以内(別枠の1,000万円以内)
運転資金:3年以内(別枠の1,000万円以内)

参考:日本商工会議所│新型コロナウイルス対策マル経融資(マル経融資の特例)

新型コロナウイルスの影響で売上高が減少している場合に、通常の限度額とは別枠で1,000万円の借入が可能です。

返済期間や据置期間も通常時と比較して長い期間設けられているため、該当する方は申請を行ってみましょう。

審査に落ちた場合のおすすめ資金調達の方法を2つ紹介

マル経融資の審査に落ちた場合は、別の資金調達の方法を考える必要があります。
おすすめの資金調達方法は2つ。

  • 新創業融資制度
  • 新企業育成貸付

順に詳しく見ていきましょう。

経営実績が1年未満の場合は「新創業融資制度」を検討

経営実績が1年未満の場合は、日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用できる可能性があります。

新創業融資制度は以下の方を対象として無担保・無保証人で融資を行っている制度です。

  • 新たに事業を始める方
  • 事業を始めて間がない方

事業を始めて間もない方も対象なので、経営実績が1年未満でも審査に通る可能性があります。

マル経融資では事業年数が1年以上必要なため、事業を始めて1年に満たない方は新創業融資制度が向いています。

融資限度額は3,000万円で、運転資金は1,500万円までです。利率は使いみち・返済期間・担保の有無などの条件によって決まります。

日本政策金融金庫の「新企業育成貸付」もおすすめ

日本政策金融公庫では、「新規開業資金(新企業育成貸付)」と呼ばれる融資も受けられます。

新規開業資金(新企業育成貸付)は以下の方を対象として融資を行っています。

  • 新たに事業を始める方
  • 事業開始からおおむね7年以内の方

事業を始めてからの期間が短い方を対象としているので、条件に合う場合には便利です。

マル経融資は営業年数が少なくとも1年以上必要ですが、新規開業資金(新企業育成貸付)なら開業前や開業直後でも融資が受けられる可能性があります。

これらの要件に当てはまっていなくても借入額が1,000万円以内なら条件を満たしているとして扱われるので、当てはまらない方は金額を低めにして申し込みましょう。

「新創業融資制度」と「新規開業資金(新企業育成貸付)」の違い

「新創業融資制度」と「新規開業資金(新企業育成貸付)」の違いは、担保・保証人の有無です。

「新創業融資制度」は担保も保証人も不要ですが、「新規開業資金(新企業育成貸付)」は相談によって決定されます。

ただし担保や保証人を付けない分、審査が厳しくなりがちな傾向にあるため、臨機応変に対応を行いましょう。

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